拒食症はアベニーパファー飼育者が1番最初に悩まされる病気ですね。拒食症は性格の個性が強いアベニーパファーだからこそ、なってしまう病気と言えます。
特にお迎えしたばかりの頃に拒食症になりやすいので、意を決して飼い始めた初飼育者さんに大きな焦りと精神的ダメージを負わせる恐ろしい病気でもあります。
これからアベニーパファーを飼おうと思ってる方も、今まさに拒食症に悩んでいる方にもお役に立てるように我が家での経験も織り交ぜて詳しく解説していきますね。
ちなみに、我が家では拒食症で天に召された子もいれば、拒食症から復帰した子も両方います。
拒食症はこんな病気!
アベニーパファーの拒食症は名前の通りご飯を食べなくなりガリガリにやせ細って、体力がなくなり天に召されてしまう病気です。
上の画像は我が家で実際に拒食症になって天に召されたアベニーの写真ですが、最終的にはこんなにもガリガリになってしまします。
(↑我が家で1番最初に拒食症になった2匹、エサは見に来るけど食べない)
拒食から復活することもありますが、多くの場合天に召されてしまいます。なぜなら、拒食症が進みすぎると、エサに興味は持っても口にすることがなく、そのまま弱って天に召されてしまうのです。
なので、早期に対応してあげることが重要です。
最近エサを食べてないなと思ったら今回の記事で紹介する対処をすぐにしてあげましょう。
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拒食症の原因は?拒食の5つの原因
アベニーパファーの拒食症の原因は大きく分けると「ストレス」「偏食」「エサ争奪戦の敗北」「臆病な性格」「他の病気」があげられます。
それぞれの詳しい理由も解説していきますね。
原因1:ストレス
アベニーパファーはストレスに弱くストレスからエサを食べないことが1番の原因と言えます。
特にお迎えしたばかりのころにストレスから拒食症になりやすいので、飼育初期に注意が必要です。
国内ブリードではなく、海外の自然界から長旅を経てやってきたばかりの子を立ち上げて間もない水槽にお迎えする場合にはアベニーへのストレスが大きくなりますね。
あとは、産卵箱(サテライト)に隔離したとき、水槽サイズを変更(大きいサイズから小さいサイズへ)したときなどに、強いストレスを感じるようで拒食症になりやすいです。
原因2:偏食
アベニーパファーは食の好みがうるさく口に合わないものは食べません。
お腹がすいていても食べないという強者までいます。
これもお迎えしたばかりの頃に用意していたエサを食べない!と言うことがきっかけで、食べない日が続くと最終的に拒食症になってしまいます。
アベニーパファーの餌は冷凍赤虫!と言われますが、赤虫を好まない子もいますし、赤虫のあげ方が悪くて食べないこともあります。
詳しくは対策のところで解説しますね。
ちなみに、アベニーパファーがどんなものを食べるのか気になる方は↓こちらをご覧ください。
原因3:エサ争奪戦の敗北
お迎えした子の性格にもよりますが、アベニーパファーたちには力関係の強弱があります
体長1㎝くらいに満たないチビニーても縄張り意識が強く、周りの子を攻撃しまくる子がいます。一体どうしちゃったの?と思うくらいキレ散らかします。
また、大人アベニーになればなるほど縄張り意識が強まり、オス・メス関係なく、他者への攻撃が激しい子や特定の子ばかりいじめる子が現れることがあります。体も大きくなるので攻撃力もハンパナイです。ロケットのごとく体当たりします。
そんな攻撃的な子より弱い子は、餌場で食事をしようとすると毎回攻撃されてしまい、そのうち餌場にこなくなります。そうなると、水槽の端っこや水槽内インテリアや水草の陰に隠れてしまい、飼育者が気づかないうちに痩せこけてしまうのです。
痩せこけると体力がなくなり、水槽の底にいるのが辛くなるのか、水槽の角の水面近くでじっとすることが増えます。このときになってはじめて飼育者が拒食に気づくことが多いです。
原因4.臆病な性格
縄張り争いなど関係なく、怖がりでお迎え直後から隠れてばかりでエサの時間でも出てこない子もいたりします。
特に水草などをたくさん植えている場合、飼育者からの死角が多くなり痩せてる子の存在に気づけなかったりします。
(↑私が初めて立ち上げた水槽。水草をモリモリに入れすぎてアベニーの観察がしにくかった)
我が家で最初に拒食症になり天に召された2匹はこのタイプでした。(実はネットで6匹購入したのに、実は8匹いたよで2匹が餌場に来ないことに気づかなかったことも原因)
原因5:その他の病気
その他の病気にかかっている場合、体力が落ちでエサを食べる元気がなくなり拒食症も併発させるということがあります。
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拒食症を未然に防ぐためにやりたいこと(予防策)
アベニーパファーの拒食症はお迎えした初期に起こりやすいので、お迎え前から予防が始まります。
予防1.お迎え時に痩せている子・攻撃的な子を選ばない
そもそもお迎え時に「拒食症になりやすい子」「他の子を拒食症に追いやる攻撃的な子」を選ばないということが1番最初にできる予防策です。
ショップの水槽にいるお腹がやせている子は庇護欲からお迎えしたくなりますが、飼育初心者にはちょっと手に負えないので避けましょう。
また、やたら目ったら周りを攻撃している気の荒い子も選ばずにおきましょう。
アベニーパファーを選ぶときのポイントは↓こちらで詳しく解説しています。
予防2.水槽の立ち上げをしっかり!栄養剤を忘れない
他の記事でも何度もお伝えしていますが、アベニーパファーに限らず熱帯魚たちは、口からの食事以外にエラからも栄養を吸収します。
水槽の立ち上げ時から、しっかり栄養剤を投入してミネラルが豊富な水を作っておくことが重要です。
我が家では、アクアシステムさんの「ミネラルバランス」を愛用しています。これを使いだしてから天に召される子が減ったので浮気せずにこれ一択ですね。
あとは、水槽立ち上げ後すぐにアベニーたちをお迎えるするのではなく、はやる気持ちを抑えて水が安定してからお迎えすることも大事です。
予防3.水合わせ時の観察
我が家で3回アベニーパファーをお迎えしてみて感じたことですが、アベニーパファーの場合、水合わせをする際にもエサをあげて全員がエサを食べるかチェックしてあげることが重要です。(本来水合わせではエサをあげないのがセオリー)
(↑水合わせ終了後、内掛けの産卵箱内でエサを食べるかチェックしている図)
この時にエサを食べない、またはあまり食べるのが上手ではない子はメイン水槽に入れずにしばらく産卵箱(サテライト)の中で飼育して体力を付けさせることが大事です。
一度メイン水槽に入れてから産卵箱に移動させると、広いところから狭いところに入れられたストレスからよりエサを受け付けなくなるので、メイン水槽に入れる前に対処する方が、拒食症からの復活が見込めます。
水合わせが何?どうやるの?と言う方はこちらの記事にまとめているので読んでみてください。
産卵箱(サテライト)選びに迷っている方は↓こちらの記事がおすすめです。
予防4.日々の観察
エサやりタイムの観察
アベニーたちの様子をじっくり観察できるのはやはりエサやりタイムだったりします。
餌場にやってくるのが速い子もいれば遅い子もいますが、みんながちゃんとエサを食べているのか見ましょう。
時々、エサをじっとみてるけど食べない子もいるのでそういう子の模様や体形を覚えておいて、継続して様子を見ましょう。
2~3日食べていないようであれば、本記事の対策に書いていることを試してみてください。
ちなみに、家で生まれた稚魚もしかっかり観察が必要です。エサ争奪戦に負けている子だけガリガリに痩せて行ったりします。
噛まれた傷がある子の観察&水質をきれいに保つ
気性が荒く気にいらない相手に噛みつく習性があるアベニーパファーは日々怪我が絶えません。アベニーパファーには歯があるので、噛まれた方は傷口から菌に感染して病気になり、食欲が落ちたことで拒食になることがあります。
なので、↓下の画像にある「ココの丸」のように噛まれてた傷がある子はしばらく様子を見ましょう。額、背中、あごによく噛まれた丸い傷が見つけられます。
噛まれた傷は、額や背中は白い丸として残り、口元やお腹は黒い丸として残ることが多いです。
噛まれた傷からなりやすい病気は、綿みたいなカビが生える「水カビ病」で、これは水質が悪化しているときに起きやすいので、掃除をしっかりして水質をきれいに保つことも、病気と併発する拒食症を防ぐ大事なことです。
水カビ病については↓こちらの記事に書いたので合わせて読んでみてくださいね。
予防の番外編 魚がイキイキする魔法の底砂「ネイチャーサンド」を使う
これは、予算を避ける方だけができることですが、アクアリウムの玄人をうならせる底砂「ネイチャーサンド」を使うと、魚たちの肌につやが出て元気になります。
ネイチャーサンドは8㎏で5,478円(税込)とかなりお高いうえに、年に2回くらい不定期で数店舗でしか販売されない幻のような底砂です。
どこの砂なのかは企業秘密で、なんで魚が元気になるのかも不明なのですが、とにかく魚の調子がいいと玄人に人気の底砂です。知る人ぞ知る逸品と言う感じですね。
8kgのネイチャーサンド |
ネイチャーサンドを敷いた後 |
大小さまざまな形の砂が混ざっているのが特徴です |
我が家では、すでにお伝えしたアクアシステムさんの「ミネラルバランス」を使ってから天に召されるアベニーの数がグッと減りましたが、2020年の6月に底砂を「ネイチャーサンド」に変えてからさらに天に召される子がグッと減りました。ちなみに、ネーチャーサンドをてにいれるまで半年ほど待ちましました。
私がネイチャーサンドを購入したお店はJR阿佐ヶ谷駅近くにある「あくあしょっぷ石と泉」さんです。あくあしょっぷ石と泉さんのネイチャーサンドの販売ページはこちらです。
気になった方は、お店に入荷時期など問い合わせてみてください。
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拒食症になってしまったときの対処法
対処1.冷凍赤虫を食べない場合はサイズ選定をして与える
お迎えしたばかりの1㎝前後のアベニーパファーや水槽内で生まれた2世の稚魚が赤虫を食べない場合には、赤虫が大きすぎて上手に食べれないことが原因だったりもします。
なので、赤虫を食べないとあきらめずにサイズが小さめの赤虫と大きい赤虫をわけて2個のエサ皿に入れてあげるなどしてみましょう。
せっかくより分けたのに、食欲旺盛な子に食べられてしまうようであれば、先に元気な子たちに大きいサイズの餌をあげてお腹いっぱいにしてから、細いサイズの赤虫を入れてあげましょう。
ちなみに、我が家で上げているのはキョーリンさんの「クリーン赤虫ミニキューブ」です。
赤虫について詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
対処2.ブラインシュリンプを沸かして与える
拒食症の子でも食べる可能性が1番高いのは、ブラインシュリンプです。冷凍ではなく、ブラインシュリンプエッグを買って沸かします。
ブラインシュリンプって何?と言う方はこちらの記事を後で読んでみてください。
ブラインシュリンプは水質の悪化を促進させるので、できればメイン水槽に入れたくないですが、拒食の子を隔離してしまうとストレスからよりエサを食べなくなる可能性があるので、ブラインシュリンプを沸かしたらメイン水槽に入れましょう。
我が家は、お迎えしてしばらくしてからエサを食べなくなった子にブラインシュリンプを与えてみたらパクパク食べて、そのうち他の餌も食べるようになりました。
ちなみに我が家で愛用しているブラインシュリンプはテトラ社さんの「テトラ ブラインシュリンプエッグス」です。
対処3.貝類を与える
アベニーパファーは「スネールイーター」と呼ばれるくらい貝(スネール)が大好物!
我が家では試せていないのですが、貝類をあげることでエサを食べない拒食の子が食べてくれる可能性もあります。
水槽内にスネールが勝手に発生すればいいですが、そうならないときには生餌の貝を購入して与えます。
↓こちらの記事にどんな貝がいいかなど書いています。
対処4.拒食の子の口をチェックする
拒食症になる子には時々口の中に水カビ病(綿みたいなカビが生える病気)ができていることがあります。口に水カビ病ができると物理的にエサが食べれなくなり拒食症になってしまうのです。
なので、どうもエサを食べないなと思ったときは、口をパクパク動かしているか見てあげましょう。もし口を動かすことがなく、何か白い綿みたいなものが見えたら、即刻治療をします。
水カビ病の治療については↓こちらの記事に書いているので後で読んでみてください。
ちなみに、赤虫をポッキーゲームのように両端から奪うように食べたときに口に傷ができて、そこに菌が入ってカビが生えることが多くあります。
対処5.威嚇されてエサが食べれないなら”威嚇する子”を隔離する
威嚇されてるせいでエサが食べれず拒食症になった子が出た場合、拒食の子ではなく攻撃的な子の方を隔離箱に入れましょう。
(↑他の子を威嚇しすぎて隔離されたアベニーがふてくされています)
アベニーパファーはストレスを感じやすく、拒食症ですでによわている子を隔離するとますますエサを食べなくなります。
なので、パワーが有り余ってる威嚇する方の子をまずは隔離します。攻撃的な子を隔離して2~3日しても拒食の子がエサをたべないようなら、最終手段として拒食の子を今度は隔離しましょう。
どれくらいの日数でと言う部分に関しては、個体差もあるので飼い主さんがアベニーパファーを観察しながら調整してみてください。
我が家では最近1番の暴れん坊のメスを隔離したら、少しは水槽内が平穏になりました。
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注意点
1.飼い主中心のペースになりすぎない
拒食症になってしまうと、飼い主としては焦ってしまいますが、結果を急ぎすぎずにじっくりアベニーたちに付き合いましょう。
今回紹介したエサに変えても初日から豹変して急に食べだすことは少ないです。1,2回で諦めずに、何度も根気強く与えることも大事です。
私たちの人間の感覚やペースではなく、とにかくアベニーパファーたちのペースに合わせてじくり付き合いましょう!
2.自分を責めすぎない!
病気になったアベニーと向き合う時は自分を責めないことが重要です。「自分のせいで」「もっとできることがあったのでは」と思いつらくなる気持ちはとても分かります。
私もアベニーたちが天に召されるとかなり落ち込んで夢見も悪い時期がありました。
メンタルをやられやすい人は↓こちらの記事も読んでおいてください。
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終わりに
さて、拒食症については記事を読む前より理解が深まったでしょうか。
拒食症になってしまうとみるみるやせ細って、見ているこっちもとても辛いですが、じっくり処置をしていきましょう。
今回原因、予防、対処方法をお伝えしましたが、生き物に100%はありません。
試行錯誤しながら、ベストを探っていきましょう!
それでは素敵なコフグライフを!
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