アクアリウムを始めると必ずガラス面や水草のコケが悩みの種になり、コケ取をしてくれる熱帯魚をお迎えしたくなるものです。
今回は水槽のコケ取り生体(メンテナンスフィッシュ)の中から「オトシンネグロ(オトシンネグロス)」について紹介します。
実際に我が家で3匹飼育した経験も含めて寿命や餌、飼育環境などの基本事項から魅力や特徴までお伝えしますね。
オトシンネグロ(オトシンネグロス)とは?
オトシンネグロの特徴
オトシンネグロは別名、オトシンネグロスと呼ばれる南米原産の小型ナマズの仲間です。
吸盤のような口で水槽壁面や水草表面のコケをなめ取るように食べるので、アクアリウム界ではコケ取名人として知られています。
ショップでは自然界にいるワイルドの個体と水槽内で飼育されたブリードの個体の両方が販売されています。
個人的にガラス面のコケを食べているオトシンネグロのフォルムを見ると「プレデター」を思い出してしまうのですが、実際のオトシンネグロはとてもかわいく見ていて癒されます。
見た目は地味ですが飼育してみるととても愛くるしいですよ♪
オトシンネグロとオトシンクルスとの違い
オトシンネグロと同じ、コケ取名人として有名なオトシンクルスとの違いは、見た目以外には次の2点があげられます。
- コケ取り能力の違い
- 水槽内での繁殖力の違い
オトシンクルスと比べコケ取能力も繁殖力もオトシンネグロの方が能力が高いとされています。飼育者の繁殖情報もオトシンネグロはたくさん見かけますが、オトシンクルスはほとんど見かけません。
オトシンネグロの基本情報(サイズ・寿命・水温・pH・値段)と飼育の注意点
オトシンネグロのサイズ・寿命、水温・pH・値段は?
サイズ(最大) | オス:3.0cm~3.5cm メス:3.5cm~4.0cm |
---|---|
寿命 | 3年~5年 |
飼育環境 | 水温: 22~28℃ 水質: 弱酸性~中性 pH:6~7.5前後 |
値段(目安) | 1匹あたり640円(税込)~ |
オトシンクルスネグロは、オトシンクルス(並オトシン)に比べると倍くらいの価格ですがアクアリストに人気の種類です。
オトシンネグロ飼育の注意点は?
オトシンネグロは水質の変化に敏感で体調を崩しやすいとされるので、お迎え時は水合わせをしっかりしてあげましょう。
飼育スタート後もしっかり水替えをしてきれいな環境を心がける必要があります。
世界最小の淡水フグアベニーパファー用に書いていますが、「水合わせって何?」と言う方はこちら↓の記事を読んでみてください。我が家でオトシンネグロをお迎えしたときもこの方法で水合わせしています。
また、コケ取り要因として有名ですが、どんなコケでも食べるわけではないので、人工餌に慣れさせる必要もあります。エサについては次の章で紹介しますね。
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オトシンネグロが食べるコケと餌、餌の量と餌付け方
オトシンネグロはコケなら何でも食べるわけじゃない!
オトシンネグロはコケなら何でも食べるわけではなく水槽立ち上げ初期にガラス面や水草に発生する茶色のコケ「茶ゴケ(珪藻)」を食べます。
飼育し始めると水槽内に生えるコケだけでは餌不足になるので人工飼料を与えます。
オトシンネグロは人工飼料も食べるよ!
人工餌はプレコ用のタブレットなどを与えましょう。
我が家のオトシンネグロにはキョウリンさんの「ひかりクレストプレコ」をあげています。
オトシンネグロの餌の量・回数・餌付け方
オトシンネグロの餌の量
我が家にはオトシンネグロ3匹とオトシンクルス4匹がいたときでもタブレット1個は食べきらないので、1/4に割ってあげていました。
前述したタブレット型の餌「ひかりクレストプレコ」は15g、78g、300gと3種販売されているのでオトシンネグロ以外にプレコなどを飼育してなければ15g があれば十分ですね。
オトシンネグロの餌の回数
オトシンネグロに餌を与える回数は、我が家の場合オトシンネグロの様子を見て、餌場によくくるようになたときに週1~2に1回ペースで与えています。初めての飼育でよく分からないときは、1週間に1回少量のタブレットを置いて食べに来るかか観察するといいですね。
オトシンネグロの餌付け方のコツは夜!夜行性を活用しよう
我が家のオトシンネグロを観察していると、電気を消した夜にエサ皿にタブレットを置いておくと食べに来ることが多いです。
餌を置いてもすぐに食べに来なかったり毎回はこなかったりするので、エサ皿の位置を固定して粘り強く観察しましょう。オトシンネグロが人口飼料に慣れるまでは少し時間がかかると思ってください。
どの熱帯魚も個性があるので飼い主側が熱帯魚たちのペースに合わせてあげることが重要ですね。
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オトシンネグロの性格と混泳
オトシンネグロの性格
オトシンネグロの性格はとてもおとなしく水槽内ではよくヒーターの裏などに隠れています。
ちょっと怖がりなところがあり、環境の変化に怯えて餌を食べないこともあるので環境にしっかり慣れさせることが重要です。
オトシンネグロには群れる習性はないようですが、水槽内に1匹よりも3匹くらい仲間がいる方が安心するようです。
我が家では3匹のオトシンネグロをお迎えして飼育していたのですが、今は1匹だけになってしまい、なんだか以前より元気がありません。
なので、オトシンネグロスの飼育をするなら複数匹でお迎えすることをお勧めします。
オトシンネグロの混泳
オトシンネグロが他の魚を攻撃することはありません。大人しい種類の熱帯魚を選べば混泳可能です。
ちなみに、我が家では気性が荒く他の魚に噛みつくこともある淡水フグの「アベニーパファー」と混泳しているのですが、オトシンネグロは私が知らないところでアベニーパファーに攻撃されていたようで、3匹中2匹が傷口にカビが生える「水カビ病」で天に召されてしまいました。
オトシンネグロはよくフィルターやヒーターの裏にかくれてしまうので、病気に気が付いたときには末期でした。ただ、私がフィルター掃除をさぼらず常に水をきれいにしていれば病気にならなかったと思うので悔やまれます。
アベニーパファー向けに書いていますが、水カビ病がどんなものか知りたい方はこちら↓の記事を読んでみてください。
ちなみに、同じくアベニーパファー水槽で混泳しているオトシンクルスは元気にしているので、オトシンネグロはちょっと動きがおっとりしているのかもしれません。
ということで、アベニーパファーとオトシンネグロの混泳はあまりお勧めではありません。
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オトシンネグロのオスとメスの違い
オトシンネグロは同じオトシンと名の付く仲間の内では、オスとメスの見分けがしやすいとされますが、ある程度成長するまでは分かりにくいのが実情です。
オトシンネグロのオスとメスを見分ける3つのポイント
オトシンネグロの雌雄を判別する際には次の3点をチェックします。
- 口元:
メスは丸みがある
オスは角ばっていて細い - お腹:
メスは丸みがある
オスは細い(シャープ) - サイズ:
メスの方が大きい
画像でオスメスの違いを見てみましょう。
上の画像に先ほどの見分ける3ポイントのうち2つを書き込んでみます。
違いが判りましたか?
違いを見極めるポイントがあるとはいえ、水槽にオスとメスの両方がいる場合に比較して見分けができるという状態ですね。
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オトシンネグロの産卵・繁殖方法
オトシンと名の付く仲間の中でも繁殖させやすいタイプと言われています。
熱帯魚たちの産卵方法は5タイプほどあますが、オトシンネグロは粘着性のある卵を水槽のガラス面や水草の表面、水槽内のインテリアなどに産みつけます。
オトシンネグロの繁殖行動は、メスの産卵が近づくと複数のオスが1匹のメスを盛んに追いかけるようになるというものです。この行動が見られたその日のうちにメスが産卵を始めるというものです。
実際に繁殖させている情報をブログで紹介している方も多くいますね。
我が家では残念ながら繁殖行動が確認できなかったので、オトシンクルスの繁殖に成功された方のブログ記事を紹介しますね。
▶「オトシンネグロの繁殖」(他サイトが開きます)
↑こちらの記事は丁寧に繁殖記録が掲載されています。
オトシンネグロの病気は?
基本的にどんな熱帯魚も水槽内で同じような病気にかかります。
オトシンネグロも「水カビ病」「エロモナス病」「カラムナリス病」「白点病」にかかる可能性があります。
前述しましたが、我が家のオトシンネグロは3匹中2匹が水カビ病で天に召されてしま終いsた。
どんな熱帯魚もストレスを感じると免疫力が下がってしまい、その結果病気になります。主なストレスの原因は水質悪化・水温変化・環境やpHなどの変化などなので、水質変化に敏感なオトシンネグロを病気にしないためにも、水をいい状態に保ってあげましょう。
水槽の水替えをしてもフィルター掃除を怠ると水質は悪化するので、定期的にフィルター掃除をすることが重要です。
熱帯魚がかかりやすい病気の詳細はこちら↓をご覧ください。アベニーパファー用の記事になっていますが、病気の原因や対処などはほぼ同じです。
終わりに オトシンネグロの魅力
オトシンネグロの魅力は、アクアリストにとって悩みの種となるコケを食べてくれることと、ブリード(繁殖)だと思います。
やはり飼育を始めると繁殖はさせたくなるものです。コケ取名人の中で繁殖にもチャレンジしたいなら、オトシンネグロが魅力的ですね!
ただ、ちょっとおっとりしているので我が家の淡水フグ「アベニーパファー」のように気性の荒い肉食系の熱帯魚と混泳させないことをお勧めします。
気性の荒い熱帯魚と混泳させないのであれば、オトシンネグロはオトシンクルスに比べると値段が2倍以上もしますが、オトシンネグロの方が長く飼育しやすいのでオススメです。
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