セオリー通りに言えばベタのオスは同種も異種も混泳不可で、メスは同種の混泳は可能で、異種も相手を選べば可能。だけど、ベタの飼育者さんブログにはオスでも混泳できたと書かれていたり、メスでもダメと書いてあったり、SNSでベタと他の魚の混泳水槽を見かけたりしますよね。こんな状況では、アクアリウム初心者ほど「何を信じたらいいのか分からない!」と混乱してしまいますよね。
そこで、今回は初めてのベタ飼育に向けて情報収集している方のために、ベタの混泳について徹底解説していきます。混泳させてから、失敗した!と嘆かないようにぜひ最後まで読んでくださいませ。
本記事の「ベタ」はワイルドベタ以外の品種改良されたベタを指します。
ベタの混泳セオリーはこう!オスとメスで条件が違う
まずは、ベタの飼育や混泳についてまだ何も知らないという方のためにセオリーをお伝えしますね。
ベタのオスの混泳セオリーはこう!
ベタのオスは同種でも異種でも混泳NG!と言うのがセオリーです。
なぜ、NGとされるかと言えば次の理由が挙げられます。
べタのオス同士の混泳がNGな理由
ベタのオスを混泳させるとどちらか一方が死ぬまで攻撃をするためNGとされています。
ベタは「闘魚(とうぎょ)」と呼ばれるくらい激しい魚なのです。
ベタと他の種類の混泳がNG理由
ベタのオスが他の魚との混泳もNGな理由は主に次の2つです。
- ベタは縄張り意識が強く相手を攻撃するため
→威嚇対象だと認識した場合攻撃する可能性があるためNG
特に自分と同じようなヒラヒラしたヒレを持つ魚やを敵と認識しやすい - ベタがフレアリングをし続けて体力を失い弱るため
→混泳相手を敵と判断した場合、攻撃をしなかったとしても威嚇行為である「フレアリング(エラやヒレを大きく広げる行動)」をし続け、ベタが体力を失い弱る可能性があるためNG
(フレアリングはベタにとっては負担が大きい行動)
これ以外にも理由はあるのですが、セオリーとしては今解説したことだと思ってください。
ちなみに、このセオリ―に対して「混泳できる派がいる理由」については「ベタの混泳情報が錯綜する理由」の章で解説します。
ベタのフレアリングがよく分からない方は↓こちらをご覧ください。
ひとつの水槽に仕切りをつけてベタのオスを飼育する場合、仕切りが透明で相手が見えてはNGです。威嚇のフレアリングをし続けて弱ってしまいます。
仕切りをつけて飼育するときは相手が見えないしきりにする必要があります。
ベタのメスの混泳セオリーはこう!
ベタのメス同士の混泳はOK!他の魚との混泳は種類を選べばOK!がセオリーです。
とはいえ、メスにも縄張り意識があるため小競り合いは発生し、時には気に入らない相手を追いかけ回したり、ヒレをボロボロにしてしまうことがあるので、安心して混泳させられるわけではありません。
私個人としては、混泳OKと言うより「できなくはない」と言う表現を使いたいくらいです。
同じ水槽内で孵化して育ったメス同士の方が混泳しやすいとの情報もあります。ただ、気性が荒いメスが生まれることもあるので安心はできません。
ベタのオスとメスの混泳のセオリーはこう!
ベタのオスとメスの混泳は、繁殖のとき以外はNGです!
繁殖のときでもメスを初めて見たオスがメスを攻撃することがあるので、いきなり同じ水槽に入れるのではなくオスとメスのお見合いからスタートさせる必要があります。
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ベタの混泳情報が錯綜する理由
ベタは「混泳できる派」と「混泳できない派」に分かれる2つの理由
ベタの混泳について「混泳できる派」と「混泳できない派」に分かれる理由は主に次の2つが考えられます。
【「混泳できる派」と「混泳できない派」に分かれる理由】
- ベタや混泳相手にも個性(性格)の違いがある
- 飼育者のレベルや飼育環境に違いがある
単に「混泳できる・できない」と言う表現も誰がどんな条件で言っているのかまでは明記していないことが多いですよね。この「誰がどんな条件で」と言う部分に混泳できる・できないの差が生まれる要因があるのです。
理由1.ベタや混泳相手にも個性(性格)の違いがある
まだ同じ種類の熱帯魚を複数匹、飼育したことがない方には想像しにくいかもしれませんが、魚たちにも個性(性格)の違いがあります。特にベタのような縄張り意識が強い魚は顕著です。
なので、例え「ベタと金魚の混泳に成功している、うちは問題ない!」と言う人がいても、その方が飼育しているベタと金魚の個性がたまたまマッチしただけなのです。
さらに言うなら、飼育していく中で状況は変化していくので「どの時間を切り取った発言なのか」も考えなくてはいけない要素です。
ブログやSNSで混泳がうまくいっている飼育者さんのベタが、生涯ずっと混泳がうまくいくとも限りません。ですが、例え混泳がうまくいかなくなっても「やっぱり失敗しました」とは、わざわざ投稿したりしないものです。
魚も成長するにつれて性格が変化していくこともあるので「ベタ飼育の一瞬」を切り取って考えるのではなく「ベタの一生」をトータルに考えて混泳を考えなくてはいけないのです。
理由2.飼育者のレベルや飼育環境に違いがある
たくさんのベタを何年も飼育している方と、これから始めてベタを飼育する方ではやはり飼育レベルに差が出ます。
飼育に慣れた方なら、お迎えするベタの性格を見定め混泳させやすいおとなしい子を選んだり、飼育環境をベタにストレスを与えない安定したものにできる可能性があります。
そうすることによって、ベタが混泳仲間を攻撃せずに暮らせる環境を作り出すことができたりします。
また、魚たちの世界では「先住民の方が強い」と言う力関係のルールがあり、他の魚を飼育していた水槽に後からベタを入れると、そこまで激しく他の魚を威嚇しない場合があります。
今お伝えしたような状況は「ベタが混泳できる」と言うより「ベタを混泳させる条件を作り出せる」と言うことになりますよね。
でも、ブログやSNSで発信する際には「ベタの混泳に成功している」とだけ書かれたりするわけです。
この様に発言の裏にある状況も混泳を判断する上には重要なのです。
以上のようなことから、「混泳できる派」「混泳できない派」が存在する訳ですね。
水槽内で孵化して成長したベタの場合、一度も隔離しなかった場合にはオス同士でも混泳ができるという事例もあります。(ただし、1回でも別々にすると威嚇対象となるとのこと)
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ベタの混泳を避けた方がいい理由は縄張り意識以外にもある!
縄張り意識以外の混泳を避けた方がいい理由はこの2つ!
ここまでベタの混泳セオリーや混泳可能派と不可能派が存在する理由を解説してきましたが、ここでまた別の視点からベタの混泳は避けた方がいい理由を2つお伝えしておきますね。
【縄張り意識以外のベタの混泳を避けた方がいい2つの理由】
- 力関係や泳ぎの速さの違いから餌にありつけないベタがでてくる
- 混泳に必要な装置がベタの負担になる
1.力関係や泳ぎの速さの違いから餌にありつけないベタがでてくる
ベタに限らず熱帯魚の世界にも力関係の上下があります。
水槽内で餌を食べる時にも力関係が影響して、一番弱い子が餌になかなかありつけず、痩せて弱ってしまうことがあります。
また、ベタよりも泳ぎが得意な魚を混泳させるとその子たちが先に餌をほとんど食べてしまい、ベタが食べれるエサが少なくなってしまうことがあります。
餌の間、ちゃんと観察して食べない子だけに餌をあげればいいのでは?と思うかもですが、飼育を始めたころは楽しくて餌の時間にずっと観察していることもできますが、慣れてくるとなかなかずっと観察していられなくなります。(家事や日常の生活が優先されていく)
1匹のベタを健康で長生きさせたいのであれば、混泳させずに1匹で飼育してあげることがベストです。
2.混泳に必要な環境がベタの負担になる
ベタは「コップで飼育できる」とか「初心者にも簡単に飼育できる」と言われるのでどんな環境でも飼育できると思われがちですが、実はベタにはいくつか苦手な飼育環境があります。
混泳をしてしまうとベタが苦手な環境を生み出すような飼育にどうしてもなってしまうので、ベタの混泳は避けた方がいいと言えるのです。
ちなみに、ベタに苦手な飼育環境がある理由は、ベタの大きなヒレは、人の手で品種改良を重ねた結果であり、本来のベタのポテンシャルに対しては大きすぎて負担になっている部分があるからです。(ベタの中でも特にヒレが大きなハーフムーンやフルムーンはより負担が大きい)
ベタが苦手な環境とその理由は次の通りです。
【ベタが苦手な環境とその理由】
- 強い水流
→魚には水流に向かって泳ぐ性質がありヒレが大きなベタが水流めがけて泳ぐと大きなヒレがさけたり、ボロボロになる可能性がある(ヒレの損傷が病気につながる)
→水流に向かって泳がなくても普段の泳ぎで体力が奪われる - 悪化した水質
→新種改良を重ねたベタは肌が弱く水質が悪化すると肌荒れを起こし細菌に感染して死んでしまうことがある - 水深の深い水槽
→大きなヒレのせいで泳ぎが得意ではないので長い距離を泳ぐのが苦手(ベタの理想の水深は15cm程度)
水槽内の魚が増えればその分、魚たちが出す排泄物や食べ残しが増えるので水質を悪化させないためにフィルターを設置したり、バクテリアを増やすためのエアレーションを入れたりで水槽内の水流が強くなったり、水槽サイズを大きくするため水深が深くなったりしてしまうわけです。
水槽の高さが低い「ロータイプ水槽」もありますが、水槽内の水量は少なくなるので水質を安定させるのは初心者には難しくなります。
水槽のサイズの違いなどがまだよく分かっていない方は↓こちらを参考にしてください。
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混泳に向かない・特に注意が必要なベタの品種
ベタと言ってもその種類は多くそれぞれ特徴があります。
次にあげるベタは混泳には向かない・特に注意が必要な品種だと思っておく方が無難です。
プラガット(プラカット) | |
ヒレが小さく動きが機敏なため混泳対象を追いかけまわす可能性が高い | |
ハーフムーン | |
ヒレが大きく弱いので、水流や他の魚との接触でヒレが敗れる可能性が高い | |
フルムーン | |
ヒレが大きく弱いので、水流や他の魚との接触でヒレが敗れる可能性が高い |
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どうしてもベタを他の魚と混泳させたい時の混泳相手
ベタと混泳させる魚を選ぶときの7つの基準
どうしてもベタを他の熱帯魚と混泳させたいのであれば次の基準をクリアしている必要があります。混泳させたいと思っている熱帯魚が次の基準をクリアするか確認してみましょう。
- ベタが敵だと認識しない
→ベタに似た姿をしていない(ヒレの大きさや色味)
→ベタに近寄って行かない(泳ぐ魚についていく習性がない)
→縄張り意識がない・強くない - ベタの餌にならない
→ベタが好きなエビではない - ベタを捕食しない
→肉食系の魚ではない(ベタのヒレを齧らない) - 好む水温・水質が類似する
→適切な水温やpHなどがベタと同じ - 大食漢(大食い)ではない
→「餌を大量に食べる=排泄物が多い=水質が悪化する」ということなので大食いの魚ではない必要がある - 生活範囲(生息圏)が被らない
→ベタは水槽の中層から上層を好むので低層を好む魚なので、中層か下層を生活圏とする魚である必要がある - 素早く泳げて丈夫
→万が一ベタが威嚇対象として攻撃を仕掛けたとしても逃げるスピードの速さや、突かれてもダメージが少ない体の表面の硬さ(丈夫さ)が必要
【ワイルドではなくブリードを!】
熱帯魚を購入する際は、ワイルド(自然界からの採取)よりもブリード(水槽内で繁殖)した子の方が飼育しやすいので、ベタの混泳相手をお迎えする際もブリード種から購入するのがおすすめです。
【一覧】ベタとの混泳が成功しやすい7種の魚(熱帯魚・生体)
前述した条件をクリアする熱帯魚は次の品種になります。ただし、ベタにも他の生体にも個性があるので100%はないので飼育者の責任での混泳飼育になります。
下の一覧にあるベタとの混泳おすすめ度は、今回色々調べた中で前述した混泳の7つの基準を考慮して、7種全体の中でのランキングを考えてつけた参考値です。なお、ベタが混泳不向きなので5つ星はあえてつけていません。
水槽の低層を好む魚 | ||
生体名 | ベタとの混泳おすすめ度 | |
1.オトシンクルス | ||
2.オトシンネグロ | ||
3.クーリーローチ | ||
4.小型のドジョウ | ||
5.コリドラス | ||
水槽内を遊泳するタイプの魚 |
||
生体名 | ベタとの混泳おすすめ度 | |
6.ネオンテトラ | ||
7.メダカ |
【プレコとラスボラはあえて外しました】
◆プレコを混泳可能に入れなかった理由
プレコも小型であればベタと混泳可能と言う情報もあります。ですが、小型でもプレコは15㎝くらいまで成長し、もともとが水流の強い川に生息しているので15㎝になると力も強く、水槽内のレイアウトを崩すくらいなので混泳可能な魚から外しました。なお、ベタとブッシープレコやタイガープレコとの混泳がうまくいってる方もいます。
◆ラスボラを混泳可能に入れなかった理由
ラスボラエスペイやラスボラヘテロモルファもベタの混泳仲間として名が挙がることがあります。ただ、ラスボラは臆病なところがあり群栄させないと泳がなくなることがある点と、我が家のラスボラヘテロモルファが他の魚を追いかけまわしたり威嚇することもが多いため混泳可能な魚から外しました。
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ベタとの混泳が成功しやすい7種の魚(熱帯魚・生体)の概要と注意点
生き物に100%はないのでこちらで紹介する魚と混泳させてもトラブルが発生することはあります。トラブルがあったときにはすぐに別の水槽やサテライト(産卵箱)などに分ける準備をしておきましょう。
1.ベタとオトシンクルスの混泳
オトシンクルスは吸盤のような口を持つコケ取生体として有名な小型のナマズの仲間。
一般的にオトシンクルスとベタの混泳は成功例が多いです。
ベタの混泳相手としてオトシンクルスが1番多く選ばれてるの模様。
オトシンは泳ぐスピードも速く、体の表面が非常に硬いので万が一ベタに攻撃されてもダメージが少なく済みます。
とはいえ、ベタがオトシンを頻繁に攻撃するような時は、オトシンクルスがストレスで弱ってしまうので、すぐに別々にしましょう。
また、ベタとの混泳に支障が出なかったとしてもオトシンクルスの飼育自体に難が出る場合があるので注意が必要です。
オトシンクルスが餌を食べない、すぐに死んでしまうなどと言うことがあることも知っておく必要があります。
オトシンクルス側の飼育方法もしっかり把握してから混泳させましょう!
2.ベタとオトシンネグロの混泳
オトシンネグロも吸盤のような口を持つコケ取生体として有名な小型ナマズの仲間。
オトシンネグロは、前述したオトシンクルスよりも2~3倍の値段なので、ベタと混泳させてる事例は少ないですが、混泳の成功例が多いです。
前述したオトシンクルスより飼育の難点が少なく飼いやすいです。
ただ、オトシンクルスに比べると体の表面は強くないので、ベタに攻撃されると傷から病気になる可能性はあります。
ベタがオトシンネグロを頻繁に攻撃するような時はすぐに別々にしましょう。
なお、前述したオトシンクルスよりもネグロの方が物陰でひっそりとしていることが多いです。
オトシンネグロ側の飼育方法もしっかり把握してから混泳させましょう!
3.ベタとクーリーローチの混泳
クーリーローチは黒と黄色のシマ模様が特徴の10cmほどのドジョウの仲間です。
クーリーローチは水槽の下層で生活する臆病な性格の魚でベタと生活圏が被らないため、混泳させやすい魚です。
クーリーローチは何でも食べる雑食性で、水質の変化にも強く丈夫で飼育しやすいために初心者にもおすすめです。
クーリーローチは砂に潜る習性があるのでベタとの混泳でも底砂を入れてあげる方がいいですが、底砂を入れないベアタンクでの飼育も可能です。
ベアタンク飼育の場合は隠れ家を入れてあげましょう。ベタも隠れ家に入る習性があるので、クーリーローチ用にベタが入れないサイズの隠れ家を入れてあげるのがいいですね。
なお、底砂を入れる場合、底砂は水質を変化させる要因になるので事前に調べて選ぶ必要があります。
クーリーローチ側の飼育方法もしっかり把握してから混泳させましょう!
4.ベタと小型ドジョウの混泳
水槽で飼育できる小型のドジョウのうち、低層を生活圏にする種類はベタと混泳がさせやすいです。
具体的には
- シマドジョウ
- スジシマドジョウ
- アジメドジョウ(ゴマドジョウ)
- イシドジョウ
シマドジョウ、イシドジョウはベタとの混泳に成功したという情報もあります。
なお、水面近くから水槽の中域で泳ぎ回ることがある「ホトケドジョウ」や体長が15~20㎝程にまで大きくなる可能性が高い「マドジョウ」「ヒドジョウ」は、ベタとの混泳は避ける方が得策です。
ドジョウは砂に潜る習性があるのでベタとの混泳でも底砂を入れてあげる方がいいですが、底砂を入れないベアタンクでの飼育も可能です。
ベアタンク飼育の場合には隠れ家を入れてあげましょう。ベタも隠れ家に入る習性があるので、ドジョウ用にベタが入れないサイズの隠れ家を入れてあげましょう。
なお、底砂を入れる場合、底砂は水質を変化させる要因になるので事前に調べて選ぶ必要があります。
ドジョウ側の飼育方法もしっかり把握してから混泳させましょう!
5.ベタとコリドラスの混泳
コリドラスは、底を這うように泳ぎ、底砂に落ちている残餌を食べることで知られるナマズの仲間です。
コリドラスはベタとの混泳がうまくいきやすい魚です。
ただ、コリドラスと言ってもその種類は160以上もいます。コリドラスは口先の長さで「ショートノーズ」「セミロングノーズ」「ロングノーズ」3タイプに分類されます。
3タイプのうち「ショートノーズ」に分類されるコリドラスは、個体差はあれど性格は温厚で協調性あり、流通量も多く初心者でも飼育しやすいので、ベタの混泳相手はショートノーズから選ぶ方がよいでしょう。
具体的には、
- コリドラス・アエネウス(通称:赤コリ、白コリ)
- コリドラス・パレアタス(パレアトゥス)(通称:青コリ)
が初心者にも飼育しやすいコリドラスです。
本来コリドラスは水流を好みますが、ベタと混泳させる際にはベタに合わせて水流は極力抑える工夫が必要です。
コリドラス側の飼育方法もしっかり把握してから混泳させましょう!
ショートノーズに分類される「コリドラスピグミー(コリドラスピグエマスウス)」は泳いでいる魚の後を追う習性があるので、ベタとの混泳は避けた方がいいです。
6.ベタとネオンテトラの混泳
ネオンテトラはネオンのようなメタリックブルーに光ってみえるボディに赤いラインが入った熱帯魚。性格は温和なので多くの熱帯魚と混泳ができ、ベタとの混泳も比較的させやすい魚です。実際にベタと混泳させている方の動画なども見かけます。
ネオンテトラは飼育もしやすく初心者にもおすすめです。
ネオンテトラの生活圏は中層付近なため、ベタと若干かぶりますが、ネオンテトラは泳ぎがうまいので、万が一ベタが敵視したとしても素早く逃げることができます。水草などでネオンテトラが隠れる場所を作っておくのが良いですね。
また、ネオンテトラがベタに興味を持って追いかけることがあるのと、ベタの餌を奪うことがあるので注意が必要です。
なお、ネオンテトラは複数匹でまとまって一方向に泳ぐ「群泳」の習性を持つ種類なので、混泳させるときの飼育数と水槽サイズに注意が必要です。
ネオンテトラ側の飼育方法もしっかり把握してから混泳させましょう!
【似ていてもブルーテトラはNG】
オンテトラは大丈夫でも、テトラの仲間のブルーテトラは気が強い魚なので、ベタとの混泳はNGです。
7.ベタとメダカの混泳
メダカのうち、ヒレなどが大きくないノーマルなメダカはベタとの混泳も比較的させやすい魚です。実際にベタと混泳させている方の動画なども見かけます。
なお、品種改良を重ねてヒレなどを大きくし、色や柄も派手なメダカは、ベタが敵視する率が高まるので混泳には向きません。(ベタは自分と似た姿のものを威嚇します)
なお、メダカ側がベタのヒレを餌と感じ回してベタを追いかけようとする場合もあるのでちゅいです。餌ではないと気が付けば干渉しなくなるようです。
メダカ側の飼育方法もしっかり把握してから混泳させましょう!
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ベタとの混泳できない5種の魚(熱帯魚・生体)
ベタとの混泳は避けるべき相性の悪い代表的な魚(熱帯魚・生体)は次の5種です。
- グッピー
- フグ(アベニーパファーなど)
- グラミー系
- 金魚
- エビ類(ミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビなど)
1.ベタとグッピーの混泳がNGな理由
ベタは自分と似た姿のものを威嚇します。グッピー(特にオス)はヒレも大きく色も鮮やかなので、ベタが敵認識しやすいので混泳NG対象とされています。
また、グッピー側がベタのヒレをエサだと勘違いし齧ろうとすることが多いため、グッピーのオスでもメスでもベタとの混泳はNGです。
2.ベタとフグの混泳がNGな理由
フグたちは歯があり、縄張り意識も強いため、同種でも異種でもヒレなどを齧ることがあります。フグは肉食系なのでベタとの混泳はNGです。
なお、世界最小の淡水フグアベニーパファーは大人になっても3㎝程ですが、威嚇のために相手に突撃するスピードと強さは結構な迫力です。幼魚の間も短気な子はキレ散らかして、周りの魚に攻撃を仕掛けます。小さくても侮れないのフグたちです。
3.ベタとグラミーの混泳がNGな理由
ゴールデンハニードワーフグラミーやピグミーグラミーなどのグラミー系の熱帯魚は、ベタと近い性質を持つため、トラブルが起こる可能性が高いため混泳NGです。
グラミー側がベタを攻撃することも、ベタがグラミーを攻撃することもあるようです。
ショップではグラミー系とベタを混泳させていることもあるようですが、ヒレをよく見るとかじられていることが多いようですね。
4.ベタと金魚の混泳がNGな理由
金魚が大食漢(大食い)なので、排泄物も多く、水質を汚しやすいためベタとの混泳がNGです。
また、金魚は食べるのが遅いベタの餌も食べていまい、大きくなると熱帯魚をいじめることもあるので熱帯魚全般との混泳が不向きとされています。(もちろん中には成功している例もありますが)
5.ベタとエビ類の混泳がNGな理由
エビはベタにとって餌になってしまうため混泳NGです。
ただ、エビの隠れ家が多い水槽では、ベタがエビに気づかなかったり、泳ぎが遅くて捕食できなかったりすることはあるようです。
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ベタを混泳させるときの飼育環境と注意点
ベタの混泳水槽のサイズやレイアウト
ベタ同士、ベタと他の魚との混泳でも以下の4点を守って混泳水槽を用意しましょう。
- 45㎝以上の水槽で飼育する
→水質の安定と言う面では60㎝水槽がおすすめ - 水流を抑える工夫をする
- 隠れ家をつくる(ベタ用と混泳する魚用)
- 水草や流木などを入れるならレイアウトは低めに作る
→ベタのヒレが引っかからないようにベタの生活圏の中層~上層には何もないレイアウトが好ましい
「ベタのおやすみリーフ」を使って、水槽内の高い位置にベタの休憩場所を作ってあげるのも混泳飼育のコツです。
ベタの混泳飼育の注意点
本来混泳向きではないベタを混泳させるのでより一層こまめに観察して水槽のメンテナンスをする必要があります。
特に次の4点に注意しておきましょう。
- フンや食べ残しはこまめに処理する
- ベタも混泳相手もしっかり餌を食べているか確認する
- トラブルが起きたらすぐ隔離
- ベタがオスの場合定期的なフレアリングを忘れない
魚たちの気分はいつ突然変わるか分からないので、ベタ側、混泳相手側のどちらかが攻撃をするようになったらすぐに隔離をしましょう。
なので、事前に隔離用の水槽や産卵箱(サテライト)を用意しておきます。
産卵箱(サテライト)の選び方などを知りたい方は↓こちらをご覧ください。
また、ベタのオスは、定期的にフレアリングをさせなくてはいけないので、フレアリングさせる環境も用意する必要があります。
フレアリングがよく分からない方は↓こちらをご覧ください。
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ベタを混泳させる手順と注意点
ベタを混泳させるときの手順
ベタ同士、ベタと他の魚の混泳でも水合わせ後にいきなり同じ水槽に入れてはいけません。
水槽内に透明な仕切りを入れるか、片方が水槽、片方は内掛けの産卵箱などに入れて様子を見ます。
ベタが近くを通りかかった熱帯魚にすぐ突っかかっていくようなら、混泳は無理だと判断しましょう。逆の場合もです。
特に、ベタのオスがフレアリングをやめない場合、ベタの体力が奪われ弱ってしまうので5分以上フレアリングをやめたい時はすぐに別々にします。
フレアリングがよく分からない方は↓こちらをご覧ください。
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終わりに
さて、ベタの混泳についてガッツリ解説してきましたがいかがだったでしょうか。
アクアリウム初心者程、いろんな魚を飼いたくなる気持ちはとても分かります。
私も最初に色々飼育しました。ただ、飼育する種類が多いということはそれだけトラブルの幅も増えていきます。
本当に生き物に100%はなく、昨日までおとなしかった子が翌日には何かしらの原因で気が荒くなっていることもよくあります。魚たちはおしゃべりできないので、何がストレスになっているのか察してあげられないので、飼い主の気持ちより、お魚たちになるべく負担がない環境にしてあげる方がよいと個人的には思います。失敗したときのメンタルダメージもなかなか大きいですし。。
ベタを飼いたいのであれば、まずはベタに集中してあげることをお勧めします。
もちろん、どうしても!と言う場合は止めません。
では、素敵なアクアリウムライフを!
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