アベニーパファーが初めての熱帯魚飼育なら、底砂選びってすごく悩みますよね。底砂には複数のタイプや種類があって何が違うのかもよく分からず、アベニーパファー水槽に本当に底砂が必要なのかもよく分からない。そんな状況であたふたしている方は多いと思います。
かつての私も底砂ひとつ決めるのに何週間も悩んでいました。
ということで、今回はアベニーパファー水槽の底砂選びについて、徹底解説していきたいと思います。
そもそも底砂は必要なのか?底砂を入れる理由は?
水槽に底砂を入れる理由は単なる見た目のインテリア要素だけではありません。
主に次の4つの理由があります。
- ろ過バクテリアたちの住処
- 水草の栄養補給(成長・根をはる)
- 水質維持・安定化
- 生体の色揚げ
今回の記事では上記4つの細かい解説はしませんが、アベニーパファーの場合小型水槽で1匹や3匹の飼育でもない限り、ろ過バクテリアを増やすためにも底砂は必要と考えましょう。
アベニーパファーたちは肉食で冷凍赤虫や生餌のブラインシュリンプを好んで食べるので水質が悪化しやすく、ろ過バクテリアたちの存在は重要です。
もちろん底砂を敷かない「ベアタンク(方式)」や「ビー玉を敷き埋める」などでも、水槽内にまったくろ過バクテリアが住み着かないということはありません。ですが、底砂があった方がよりろ過バクテリアが定着し水質が安定します。
ちなみに、アベニーパファー水槽で水草を成長させたい場合には、水草飼育に特化した底砂(ソイル系)にする必要があります。
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アベニーパファー水槽の底砂で絶対NGはこれ!
底砂は水槽内の水質に影響するため、アベニーパファーに適した「弱酸性~弱アルカリ性」「PH6.0~7.5」になるものを選ぶ必要があります。
この水質面から絶対にNGなのが「サンゴ系の底砂」です。なぜなら、サンゴは海水魚用で、水質を弱アルカリ性・硬水に傾けるという性質を持っているからです。
アベニーパファーも弱アルカリ性まで大丈夫だし、同じフグのミドリフグ用にサンゴ砂が販売されているので、アベニーパファーも同じだろうと思って入れてしまうと大切なアベニーたちが天に召される危険があります。
ちなみに、サンゴ砂はサンゴの死骸が細かく砕けて砂のようになったものです。
なお、「ライブロック」と呼ばれるサンゴの死骸などの表面に石灰藻などが付着したものもを水槽にいれるのも避けましょう。
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アベニーパファーの底砂選びで知っておきたい4つのこと
前述した底砂と水質の関係以外に次の4つを知っておくことで、砂底選びの「こんなはずじゃなかった!」という失敗を減らすことができます。
1.アベニーパファーの体色と底砂の関係
アベニーパファーは環境に応じで体の色を変化させます。
砂底がこげ茶色のソイルや暗めの砂利だとアベニーパファーの体色はグレーや黒っぽい色になり、逆に底砂が白いと黄色みの薄い白っぽい体色に変わります。
なので、アベニーパファーの黄色いボディーカラーが好きな方は、アベニーパファーたちが黄色のボディーカラーキープできる底砂を選ぶことが第1の基準になりますね。
ちなみに、体長が悪い時、産卵直前のアベニパファーも体の色が黒っぽく変化します。
<アベニーパファーのボディカラー(体色)を黄色にしたいなら>
・「こげ茶」のソイルや「真っ白」の底砂を避けるべし
2.アベニーパファーの産卵と底砂の関係
アベニーパファーは「ばらまき型」と呼ばれる産卵スタイルで、卵を底砂の上にまきちらすように産み落とします。そして、残念なことにアベニーたちは産んだ卵を食べてしまいます(食卵)。
なので、アベニーパファーの卵を採取して稚魚の飼育を望む方は、底砂選びの基準が「産み落とされた卵が隠れる形状」になりますね。
稚魚飼育を望むなら、水槽に底砂を敷かない「ベアタンク(方式)」や「細かい砂の底砂」で卵が丸見えだと食卵されてしまう確率が高まるので選択肢としては避けたいものになります。
<アベニーパファーの卵を採卵したいなら>
アベニーの食卵を避けられるよう砂利と砂利の隙間ができる
7mmくらいの砂利がオススメ!
【アベニーパファーはいつ産卵する?】
アベニーパファーは早ければ孵化して1年で産卵を始めます。ショップで販売されているアベニーは大体孵化後7か月くらいの子たちなので、早ければお迎えして2~3か月で産卵を始めることがあります。(遅い子は孵化後1年たっても産卵しないこともあります)
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3.アベニーパファーの餌と底砂の関係
アベニーパファーは肉食系で冷凍赤虫や生餌のブラインシュリンプを好んで食べます。
エサの食べ残しは水質を悪化させるのでエサの後始末(処理)が必要です。
なので、砂底のお掃除(メンテナンス)も考慮して、底砂を選ぶ必要があります。
底砂が細かい砂状だとスポイトや底砂クリーナーでエサ以外に砂を沢山吸い出してしまいます。
<日々のメンテナンス(掃除)を考えるなら>
・砂状の底砂は避ける!
4.アベニーパファーの寝起きと底砂の関係
アベニーパファーは夜には眠るので水槽の電気を消します。そして、朝は部屋の電気か水槽のライトをつけて明るくします。この時に、アベニーパファーが光に驚いて暴れまわります。
暴れているときのアベニーパファーは、底砂に体を打ち付けるような、底砂を這うような動きをするので底砂の角がとがっていると体に傷がつきます。傷から病気になることもあるので要注意です。
よって、アベニーパファー水槽の底砂は角のない底砂にしてあげる必要があります。
<アベニーのけがを防ぐためには>
・鋭利な砂利は避ける!
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アベニーパファー水槽の底砂選びの基準と対応する底砂タイプ
ここまでにお伝えしたことを踏まえるとアベニーパファー水槽の底砂選びには次の6つの基準のうち、どれを優先するかを考えて選ぶ必要があります。
基準1: 水質 |
・淡水用の底砂を選ぶ ・アベニーパファーの飼育に適した水質 (弱酸性~弱アルカリ性/PH6.0~7.5) |
---|---|
基準2: 底砂の色 |
・ボディーカラーにこだわりなしならどんな色でもOK ・黄色いカラーをキープしたければこげ茶(暗い色)と白は避ける |
基準3: 卵の保存能力 |
・稚魚の飼育を望むなら産卵後に食べられないように 卵が隠れるような溝(隙間)が作れる砂利系の底砂を選ぶ |
基準4: メンテナンスのしやすさ |
・エサの食べ残しの処理を頻繁に行うので細かい砂は避ける |
基準5: ろ過能力 |
・底砂自体にろ過能力があるものを選ぶと水質の悪化をより防げる |
基準6: 砂の形状 |
・暴れるアベニーパファーの体を気づつけない角がとがっていない形状を選ぶ |
基準7: 水草育成の有無 |
・水草を成長させたいのであれば栄養分の多い底砂を選ぶ ・ソイル ・ゼオライトのろ過砂利(砂利型ろ過材) |
【注意事項】
初めての熱帯魚飼育でアベニーパファーを選んでいるのであれば、最初はアベニーに専念するのをお勧めします。お迎え初期のアベニーパファーは体長を崩しやすく、健康管理が重要なので水草の数も少ない方が管理しやすいです。
また、アベニー水槽は他の熱帯魚水槽より水質が悪化しやすく水草に苔が生えやすいので初心者は管理しにくいのもお勧めしない理由です。
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アベニーパファー水槽にお勧めの底砂はこれ!
アベニーパファー水槽に入れる底砂のおすすめは次の3つです!
- アベニーパファーを購入する予定の「お店と同じ底砂」
- 砂利型のろ材「ろか砂利」
- 年に2回しか販売されないレアな底砂「ネイチャーサンド」
おすすめ その1
ベニーパファーを購入する予定の「お店と同じ底砂」
1つめは「え~」と思ったかもですが、ショップにいるアベニパファーたちって黄色の発色もよく、プロが選んでいるのだから一番いいと思いませんか?
5店舗のアベニーパファー水槽を見ると「大磯砂」が1番多いですね。
パウパウアクアガーデン(新宿と銀座) | |
石と泉 | まっかちん |
アクアフォレスト | |
おすすめ その2
砂利の形状をしたろ過材(ろかジャリ・ゼオライト)
砂利の形状をしたろ過材の「ろかジャリ」がおすすめです。
我が家のアベニーパファー水槽で2番目に長く利用した底砂です。
ネットで気軽に購入できる底砂としては1番おすすめできるアイテムですね。
アベニーパファーの色も黄色になり、ろ過もでき、水草の栄養分としても働いてくれます。
しかも、底砂として余ればネットなどに入れてろ過フィルターに入れて使うこともできる優れもの!
ただ、ろ過力がなくなるので1年で交換することが推奨されています。
具体的な商品としては、コトブキ工芸さんの「ろかジャリ」「ろかジャリ 細目」「すごいんです砂利」、GEXさんの「ベストサンド」「ベストサンド 小粒」が代表的な砂利の形状をしたろ過材です。
コトブキ工芸さんの「ろかじゃり」製品概要
コトブキさんのろ過ジャリなら細目ではなく通常の「ろかジャリ」でOKです。
我が家では2回リピートしました。
◆基本情報
粒のサイズ | 3~7mm |
---|---|
交換目安 | 1年を目安に交換 |
内容量の種類 | 0.5L/2L/4L/8L |
コトブキ工芸さんの「すごいんです砂利」製品概要
コトブキ工芸さんの「すごいんです砂利」はコケが発生しやすいアベニーパファー水槽にはとても魅力的ですが、効果期間が1か月なのが残念ですね。
◆基本情報
粒のサイズ | 3~5mm |
---|---|
交換目安 | 効果期間は約1ヶ月 |
内容量の種類 | 1.5L/3L |
GEXさんの「ベストサンド」製品概要
GEXさんのろ過ジャリなら小粒タイプではなく通常の「ベストサンド」でOKです。
◆基本情報
粒のサイズ | 3~5mm |
---|---|
交換目安 | 1年を目安に交換 |
内容量の種類 | 0.6L/1.5L/3L/6L |
おすすめ その3
玄人をうならせるレアな底砂「ネイチャーサンド」
我が家で最も長く使用している底砂「ネイチャーサンド」がおすすめです。
本当はおすすめNO1にしたいのですが、年に2回数店舗でしか販売されないレアもので8㎏で5,478円(税込)とかなりお高いのでおすすめのNO3としました。
「ネイチャーサンド」はアクアリウムの玄人をうならせる底砂で使うと、魚たちの肌につやが出て元気になります。我が家のアベニパファーもこの底砂にしてからほぼ天に召されることが無くなりました。
(↑ネイチャーサンドを入れた当日。ちょっと水がにごってますね)
どこの砂なのかは企業秘密で、なんで魚が元気になるのかも不明なのですが、とにかく魚の調子がいいと玄人に人気の底砂です。知る人ぞ知る逸品と言う感じですね。
砂と砂利2~5mmくらいの砂利、2~3cmの大きめの石が少し混ざった状態です。
【ネイチャーサンド取扱店】
私がネイチャーサンドを購入したお店はJR阿佐ヶ谷駅近くにある「あくあしょっぷ石と泉」さんです。あくあしょっぷ石と泉さんのネイチャーサンドの販売ページはこちらです。
気になった方は、お店に入荷時期など問い合わせてみてください。
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底砂の厚みと購入する底砂の量
底砂は何センチくらい敷けばいいのか
底砂をあまり厚く敷くと汚れが溜まりやすくなり、水質悪化の原因になります。
底砂の厚みは次の数値を目安にしてみてください。
- 水草を植える場合:4~5cm
→底砂の厚さが足りないと根が張れずしっかり育たない - 水草を植えない場合:1~3cm
→底砂清掃がしやすい薄目
水槽サイズに対して底砂はどれくらいの量を買えばいいのか
底砂を決めたら後はどれくらいの量を購入すればいいのかも気になりますよね。底砂も水槽サイズから逆算が可能です。
熱帯魚・海水魚レンタル水槽の会社「株式会社 東京アクアガーデン」さんのブログにある計算方法を紹介しますね。
底砂の必要量を試算する計算式
◆リットル表記の計算方法
水槽横幅(cm)×水槽奥行(cm)×希望底砂高さ(cm)÷1000
◆キログラム表記の計算方法
水槽横幅(cm)×水槽奥行(cm)×希望底砂高さ(cm)÷1000×0.6
(引用元:AQUA GARDENブログ記事)
厚み4cmでの計算例
30cmキューブ | 30×30×4÷1000=3.6L 30×30×4÷1000×0.6Kg=2.16kg |
---|---|
45cm水槽 (横45cm×奥行き30cm) |
45×30×4÷1000=5.4L 45×30×4÷1000×0.6Kg=3.24kg |
60cm水槽 (横60cm×奥行き30cm) |
60×30×4÷1000=7.2L 60×30×4÷1000×0.6Kg=4.32kg |
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終わりに
さて、記事を読む前と読んだあとでは底砂への悩み具合は変わったでしょうか。
こんなことを言ったら元も子もないですが、淡水用の底砂で自分が気になるものを入れるのが1番です。
ただ、特に趣味趣向がない、いろいろありすぎて選べないという方は、今回紹介した3つのおすすめから選んでみてくださいね。
では、素敵なコフグライフを!
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